【連載中】野いちご学園高等部🍓イケメン達と映画をつくることになりました✩.*

 授業が終わって帰る準備をすると、すぐにこれから部室となる物置へ走っていった。

 誰か来てるかな?ってソワソワしながら物置の扉を開ける。

 こないだここが使えるって教えてくれた時に先生が「物置の中、掃除しないといけないかも」って言っていた。

 だけど想像よりもホコリもなく物もあんまりなくて綺麗だった。

 もしかして先生が掃除してくれたのかな?

 中に入るとまだ誰も来ていない……って思ったのに、隅の方に今は使われていない体育用のマットがまとめてあって、その上に誰かが寝ていた。

 そっと近くに寄ってみると、珠洲島くんだった。しゃがんで彼の顔をじっと見ている。寝顔が可愛くて、見飽きない。

 今回は近くに寄りすぎないようにしないと。だって、この前寝ぼけた珠洲島くんが私のほっぺにキッスを……ぽわわわわーんと頭の中で思い出すだけで恥ずかしくなる。

 ここの物置は扉を開けているけれど、陽の光が入りきらず、彼が眠っている場所は少し薄暗い。

「こんな薄暗い中でもこんなに可愛くアンドかっこよく見えるのは、本物のイケメンだからだと思う」

「そうなのか?」

 後ろから東条先輩の声がしたから振り向く。
 高瀬くんと東条先輩がいた。思わず口にしてしまった独り言を聞かれて恥ずかしい。

「まぁ、そうだよな。確かに俺もイケメンだし肌も綺麗だから撮影の時ライティングなくても平気だもんな」

 すごい自信満々な高瀬くん。

 でも、本当に私もそう思う。きっと暗闇にいる高瀬くんもきっとすごくかっこいいと思う。こないだ理科室に閉じ込められて暗かった時、蓮見くんもかっこよかったしなぁ。

 でも東条先輩は「よく分かんねぇ話だな」って呟いていた。

 そんな会話をしている途中で、眠っていた珠洲島くんがモゾモゾ動き出して、目を開けた。