静かに時間が過ぎていく。
 蓮見くんも忙しそうなのに、無駄な時間過ごさせちゃったな……。

「本当に、ごめんなさい。迷惑かけちゃって……。ふたりには仲良くしてほしくて。映画部に来て欲しくて」

 私が謝ると蓮見くんがこっちを見て、はっとする。
「そんな、泣く程真剣に思って……」

「えっ? 泣いてないけど」
「いや、隠さなくていいんだ。分かったよ。そこまで強い意志があるなら協力する」

 本当に泣いてないんだけど――。

 あっ! もしかしてホコリアレルギーのせいで目が潤んでいるからかな?

 とりあえず蓮見くんからその言葉をもらって安堵する。自然と笑みがこぼれてきた。

「ふっ。ころころと表情変わって、面白いな」

 なんと蓮見くんが、ニヤッとしてくれた。

 微笑んだ姿、初めて見たかもしれない。