「先生、戻って来ねえな」
東条先輩も時間の経過に気がついたみたい。
「ちょっと行ってくるわ」
「えっ、行くってどこにですか?」
東条先輩は私の問いに答えず、窓を開けて飛び降りた。
慌てて窓から覗くと、彼は草の上に。片膝地面につき完璧なイケメンフォームで着地していた。そして彼は玄関の方に早歩きで向かっていった。
「もう少し待ってたら、先生が来なくても見回りの人が来るのに、危ないな……」
蓮見くんが呟いた。
それにしても今の動きが完璧で。
「東条先輩、カッコイイ」
「そうなんだ。いつもカッコイイんだ」
「ねっ! 運動神経も良くて、頭も良いし、完璧でイケメンで……」
「……本当は知ってるんだ。あいつが、あぁなった理由」
「えっ?」
「校則破りだしたのも、『個性出したい』ってのもあるんだろうけど……」
“東条先輩が着地した位置”をぼんやり眺めながら蓮見くんは話し始めた。
「涼風は、東条が暴走族チームの総長だってことは知ってるか?」
「うん、知ってる」
「そもそも、あんなふうに東条がなったのは、あいつのチームに今いるヤツが昔クラスで浮いていていじめられていたのが原因なんだ、多分」
「どういうこと?」
「『周りから浮いていじめられてるヤツらよりも俺が目立って、強くなって守ってやることが出来れば、そいつらはいじめられなくなるのかな』って昔あいつが呟いていたから。それがあいつの変わるきっかけだったのかなって思ってる」
「そんな事情があったんだ……」
「実際に東条が目立つようになってチームも結成して、いじめられてたヤツらがチームに入ると、そいつらいじめられなくなったし。だからって校則破るのは良くない……」
蓮見くんはそう言いながらため息をついた。
蓮見くん、東条先輩のカッコ良さは認めてるんだ……。っていうか、彼は東条くんを嫌いなわけじゃない気がする。
東条先輩も時間の経過に気がついたみたい。
「ちょっと行ってくるわ」
「えっ、行くってどこにですか?」
東条先輩は私の問いに答えず、窓を開けて飛び降りた。
慌てて窓から覗くと、彼は草の上に。片膝地面につき完璧なイケメンフォームで着地していた。そして彼は玄関の方に早歩きで向かっていった。
「もう少し待ってたら、先生が来なくても見回りの人が来るのに、危ないな……」
蓮見くんが呟いた。
それにしても今の動きが完璧で。
「東条先輩、カッコイイ」
「そうなんだ。いつもカッコイイんだ」
「ねっ! 運動神経も良くて、頭も良いし、完璧でイケメンで……」
「……本当は知ってるんだ。あいつが、あぁなった理由」
「えっ?」
「校則破りだしたのも、『個性出したい』ってのもあるんだろうけど……」
“東条先輩が着地した位置”をぼんやり眺めながら蓮見くんは話し始めた。
「涼風は、東条が暴走族チームの総長だってことは知ってるか?」
「うん、知ってる」
「そもそも、あんなふうに東条がなったのは、あいつのチームに今いるヤツが昔クラスで浮いていていじめられていたのが原因なんだ、多分」
「どういうこと?」
「『周りから浮いていじめられてるヤツらよりも俺が目立って、強くなって守ってやることが出来れば、そいつらはいじめられなくなるのかな』って昔あいつが呟いていたから。それがあいつの変わるきっかけだったのかなって思ってる」
「そんな事情があったんだ……」
「実際に東条が目立つようになってチームも結成して、いじめられてたヤツらがチームに入ると、そいつらいじめられなくなったし。だからって校則破るのは良くない……」
蓮見くんはそう言いながらため息をついた。
蓮見くん、東条先輩のカッコ良さは認めてるんだ……。っていうか、彼は東条くんを嫌いなわけじゃない気がする。



