【連載中】野いちご学園高等部🍓イケメン達と映画をつくることになりました✩.*

 ふたりが準備室から出てくる気配がした。とりあえず、もう一度きっちり布をかぶろう。

 何も見えないから、私は音に集中した。

 ふたりは無言。
 聞こえるのは小さな足音だけ。
 多分、理科室の入口ドアに向かっているのかな?

 足音が止まると、ドアをガチャガチャする音が。

 東条先輩が「開かねぇ……」と呟いた。

「鍵しまってる。これ、中から開けられないな」

 続けて冷静な感じで蓮見くんが言う。

「仕方ねぇ、壊すか?」

「いや、東条、待て! 壊したらこの学園に無駄な出費が。まずは……」

 これはもしや、おふたりが協力して事件を解決するパターンですか?

 期待が高まる。

「直月、相変わらずお前は慎重すぎるよな」
「なんだよ……。ていうか、また制服そんなに乱れた着方して。きちんとボタン締めるところは全部締めろ」

「今それ関係ないだろ? 閉じ込められてるの、どうやって脱出するかが問題だ」

「関係ねえって、そもそも……」

 あれ? 喧嘩っぽい? なんだか想像とは違う方向に。

 それにしても、今かぶってる布、ホコリっぽいな。あっ、わたぼこり吸っちゃったかも。鼻がムズムズしてきた。

 くしゃみでそう。

「くしゅんっ!」

 あっ、やばい!
 隠れてるのばれちゃう。