今考えてる作戦はこんな感じ。

 とりあえずふたりに話し合ってほしくて。
 でも、私がお願いしても話し合い場所には来てくれなさそうだし……。

 そこで、自然に呼びだすことが出来そうな結城絢人先生に頼ることにしてみた。

 放課後、理科室に行き、早速相談してみる。

「先生、映画部の件ですが……」
「どうだい、進展はあった?」
「あの、私が勧誘した人同士、仲悪くって。東条先輩と蓮見くんなんですけど。東条先輩いるなら嫌だって蓮見くんが……」
「あぁ、そういえばあのふたり、喧嘩してるところ、見たことあるなぁ」
「あと部員ひとりなんですけど……はぁ……」
「そっか、どうしたら良いものか」
 先生はあごに手を当てて真剣に考えてくれていた。
「それで、先生にお願いがあるのですが……」
「何? 先生に出来ることなら」
「用事があるからって理由つけて理科室にふたりを呼び出してほしくて」
「いいよ。理由、嘘ついちゃうのはちょっと心苦しいけれど」
「そして、本当はいけないことですけど……。ここの学園は中から鍵をいじれないですよね? なので、先生はふたりをおいて教室から出て鍵をかけてほしいのです」
「えっ? なんで?」
「よく漫画であるんです。仲の悪いふたりが閉じ込められて、仲良くなるお話が」
「そうなんだ。先生は小説はよく読むけれど、そっちは読まないから、漫画にうとくてよく分からないけれど、なるほどね。分かった!」
「すみません。よろしくお願いします! 早速明日、実行しましょう! 私は理科室の中でこっそり隠れて待ってますね!」
「分かった! 明日ここに連れてくるよ」
「よろしくお願いします!」