顧問の先生は決まったから、次は入部してくれる生徒を5人集める!

 私も生徒5人のうちのひとりに入っているから、後は4人かな。

 入部して欲しい人達は決めてある。

 周りと比べると、ひときわキラキラしていて天性の輝きを放つイケメン達。

 まずはモデルで俳優もしている、私よりも1学年下で、1年C組の高瀬帷(たかせとばり)くんに声をかけてみようと思う。

 彼はいつも注目されている。
 いきなり彼の教室に押しかけたら、特進のマドンナが率いる、彼の親衛隊の女の子達に目をつけられそうで怖いなぁ。

 話しかけるタイミングがまず難しい。

 どうしようか迷う。とりあえず彼が所属している芸能事務所のホームページをスマホで開いてみた。

 所属しているモデルさんは20人ぐらい。彼はトップページに、どどんと大きく載っていた。事務所の顔としても売り出されているようだ。

 黒い背景にキリッとした姿で写っていた。とにかくカッコよくて、大人っぽい。

 下にスクロールしていくと所属モデルのプロフィールって文字が。その文字の下に並べられた所属モデルの名前。

 私は高瀬くんの名前をクリックした。

 綺麗な金色の前髪をサラッと触り、首を少しかしげながら写っている。爽やかな笑顔。

 白い背景で、その色もとても似合う。
 可愛さが全開。少年っぽさが滲み出ている。

 黒も白も似合って、幅広く演じられるイケメンって感じ。

『高瀬 帷(Tobari Takase)、身長188cm。誕生日は4月6日、血液型はA型で好きな色は青とグレー。好きな食べ物はスフレオムレツ』

 彼の好きな食べ物のスフレオムレツ、なんだっけそれ。

 私はネットで調べてみた。

 卵白を泡立てて作るフワフワなオムレツ。

 おいしそうな写真が沢山検索サイトに出ていた。

 彼、スフレオムレツが似合うなぁ!
 イメージぴったり!

 ぽわわわ~ん。

 放課後、誰もいない教室。
 ふたりっきりで窓際の席の前後に座っている。 
 
「えっ!? これ、涼風さんが作ってくれたの? マジ美味しいんだけど」

「ほんと? 良かった!」

「ねぇ、涼風さん、食べさせてくれる?」

 高瀬くんが口を開けてまっている。

「えっ? なんか、恥ずかしいよ!」

 私は照れながら、小さくしたスフレオムレツを彼の口に入れる。

「ふふっ。照れてて可愛いね」

「もう! からかわないで」