はじまり りな
「おかあさーんっ」
私は家の扉を開けて、そう叫んだ。
返事はない。
私の家は広いから、玄関で叫んでも一番遠いお母さんの部屋には聞こえない。
私は走ってお母さんの部屋に向かおうとした。その時、壁に貼ってある紙を見つけた。
❲廊下ではしってはいけません。  お母さん❳
て書いてある。
私は早くお母さんのところへ行きたいのを我慢して、歩くことにした。
お母さんの部屋についた。ドアを開けようとドアノブにかけた手を下げた。
(この前、お母さん、いきなり入ると迷惑だからノックをするように。って言ってたっけ。)
コンコン。
「おかあさーん!はいるねー!」
私はドアを開けてお母さんのところへ行く。部屋で走るな、と言われた記憶はないので走っていったら、
「部屋で走らないの。」
って怒られちゃった。
「ごめんなさい‥それより、みてみてっ」
私は話をそらして言いたかったことをいう。