「あのっ!」 「…ハイ?」 帰ろうとしたら、呼び止められた。 「卒業生の方ですか?」 「あ、うん。そうだよ?」 なんだか、今時の子にしては礼儀正しい子だなぁ。 「……名前、聞いてもいいですか…??」 それが、彼、 矢口 冬真くん(17)と、 あたし、 岡田 羽菜(20)の 出会いでした。