「ううん、私の方こそ。あの後すぐしゅんくんも『莉子』って言って、走っていったけど、莉子ちゃんのこと追いかけていったんだよね?」




「うん、」



「何があったのか、教えてくれる?」



道で話せるような内容ではないので、もう一度花奏ちゃんの家にお邪魔して、これまでのこと全て話した。




遭遇してから、セトリ考えたり、しゅんくんの家に泊まったこと、看病してキスされたこと、『duality』の相手モデルは私だってこと。




そしてマネージャーの遠藤さんと、もう会わないと約束したこと。





オタクとアイドルの関係だったのに、気がついたら本当に好きになってしまっていたこと。





「そっか。」



「うん、黙っててごめんね。でも、もう一生会わないって決めたから。」



もう会えない。