「俺さぁ、マートに酷いこと言っちゃたよな」

 翔ちゃんも、あの日のことを後悔しているようだ。

「マートと俺たちは全然違うのに、自分勝手なことばっか言って……」

 翔ちゃんは、ずっとマートのことを考えていたのだと思った。

「私も……、自分のことしか考えてなかった」

 あの日のことを二人で反省しながら、無言でスイカを食べ尽くす……。

「未来ちゃんがね、マートに言ってくれたの! ポチやバンは、私たちの宝物だって……。そしたらマートは、私たちの悲しい気持ちが分かったみたい」

「へぇ〜、俺たちの気持ちが分かったんだぁ。星野って、なんかすげーな!」

「うん。未来ちゃんって、凄いよね! なんか、大人って感じ……。まぁ、私の友達だからねっ」

「そこは、関係ないだろ!」

「ひどっ!」

 気が付くと、いつもの調子で笑い合っていた。
 翔ちゃんの心の穴にも、少しだけ何かが注がれたようだ。