「未来ちゃん! もっと、マートの話を聞かせて」

 それから二人で、マートの思い出を話し続けた……。

「あと、マートはこんなことも言ってたなぁ……」

 未来ちゃんは、私の知らないマートを知っている……。
 マートを、知ろうとしていたからだ!
 マートも、地球や私たちのことを知りたがっていた。
 それなのに……、
 私は、マートのことを知ろうとしていただろうか?

 マートの話をしていると、心にぽっかり空いた穴に、少しだけ何かが注がれていくような気がした……。

 どんより曇った空に、少しだけ晴れ間が差していた。