「とにかく、おじいちゃんが、ちんぷんかんぷんなことばかり言ってたから、なんとか乗り切れたっていう感じ」

「ハハハッ、瑠璃んとこのじーちゃん、おもしれーからな」

「うん。あの性格は、けっこう役立つよ! うちには、必要なキャラだね」

「うちのばーちゃんも、瑠璃んとこのじーちゃんの話すると笑い転げてるもんな」

 二人でおじいちゃんの笑い話をしながら歩いていると、家の方から悲しげな遠吠えが聞こえてきた。

「ワオォ〜ン、ワオォ〜ン……」

 ポチだ。
 私の帰りを待っているらしい。

「翔ちゃん、寄っていく?」

「いやっ、俺もバンが待ってるから帰るわ、じゃっ」

 私が門に入るのを見届けると、翔ちゃんは自分の家へと走って帰っていった。