鮮やかな水色に黄色の蝶が舞っている浴衣に袖を通し、満足そうに鏡を見つめる。

「瑠璃! 綺麗だね〜。凄〜く、似合ってるよ〜」

 帯を締めながら、鏡の中のおばあちゃんがクシャッと微笑んだ。

「うん! 凄く、いい!! おばあちゃん、ありがとーっ!」

 ママに結ってもらったシニョンも、バッチリ決まっている。

「瑠璃! 行くぞーっ」

 相変わらず、約束の時間より早い翔ちゃん。

「今、行くーっ!」

 おばあちゃんに後ろ姿を整えてもらいながら、カゴバックを持って部屋を出る……。