神門君の溺愛は、365日全然止みません!

た、倒れるっ…!

突然の出来事に手を出すこともできず、ただ、目を瞑るだけしかできなかった。



その時、ふわっと誰かに包み込まれる感覚と、安心する柔らかい香りがした。

そこだけ、スローモーションになっているようにも感じた。

えっとこの香りは…ローズウッド?

そんな呑気なことを考えていた。


「きゃーーーーーーー」


…え?


パッと顔を上げると、綺麗な顔があった。

真っ黒な漆黒の髪に藍色の吸い込まれるような濃い瞳をした美青年。


あ!思わず見惚れてっ!


「す、すいませんっ」


バッっと立ち上がって勢いよく顔を下げる。


「いや、別に…」


お、怒ってるっ


「本当にごめんなさい!」


ど、どうしよう…

思わず、涙が出てきて視界が歪む。