「もちろん!ちょっとと言わずにずっと兄さんのとこで休憩していいんだよ?」
「わーい!それじゃあお邪魔しまぁす」
にっこにこな私の太ももにコテンと朱が倒れる。
そして朱はこちらを見上げて満足そうに笑った。
「ずっとこうさせてね」
「…」
何故、膝枕?
何故?
まぁ、私と朱の距離感ならこんなものか…。
一応姉弟ではなく、血の繋がりのない他人なので恥ずかしくはある。
だが、しかし今までの朱との距離感を思うと恥ずかしすぎて嫌になる程ではなかった。
むしろ可愛い朱が疲れ切っているのだからこのくらいしてあげるべきだろう。
「兄さん」
「ん?」
「大好きだよ」
朱が本当に幸せそうにふわりと笑う。
「このままずっと一緒にいたい。時間が止まればいいのに」
どこか愛おしそうに私を見つめる朱にドクンと私の心臓は大きく跳ねた。
…朱は私のこと異性として好きなんだもんね。
姉弟として私と一緒にいたい訳じゃないんだよね。
「いい顔するようになったね、姉さん」
恥ずかしくて仕方のない私を朱が満足げに見る。
私は朱のことをどう思っているのだろうか。
自分のことなのにわからない。
「…朱のせいだよ」
「ふふ、嬉しいこと言ってくれるね」
気まずくて朱から視線を逸らすと愛らしい朱の声だけが私の耳に届いた。
それから私の任務の時間になるまで私たちはこの態勢のまま話続けた。



