2度目の人生で世界を救おうとする話。後編






「紅ちゃんって意外と嘘が下手なんだね」



私の様子をさらにじっと見た後、姫巫女がどこかおかしそうに笑う。

そして…



「紅ちゃんの目はとっても正直だと思うよ」



と、言って再び私に背を向けて歩き出した。



「…」



ポーカーフェイスは得意だ。
あまり人に感情を読ませない自信はある。

それなのに姫巫女は私の目だけで私の感情を読み取ったのか。


姫巫女パワーなのか、この子自体がすごいのか。
わからないけど、ちょっと怖いわ。



「紅」



気まずい雰囲気のまま姫巫女と歩いていると、向こう側から現れた蒼が私の名前を呼んだ。



「姫巫女様、こんばんは」

「こんばんは!蒼くん!」



蒼がいつもの胡散臭い笑顔で姫巫女に頭を下げる。
すると姫巫女の声は一気に明るくなった。

さずが姫巫女のお気に入りだ。
タイミングも良すぎ、助かった。



「紅、護衛お疲れ様」

「蒼こそお疲れ様」



私たちに近づいてきた蒼が私の頭に触れる。
そしてそのままぽんぽんと私の頭を軽く叩いた。

いつものことなので特には気にならないが、姫巫女はこれがとても気になったようで。



「私も!私も蒼くんからぽんぽんされたい!」



と、上目遣いで蒼にお願いをしていた。