2度目の人生で世界を救おうとする話。後編





『そうです。あなたの考えている通りです。そのことについて私の考えを少し話しておきます。まずは現状ですが、今日を境にシナリオは大きく歪んでしまいました。今日、起きないはずのシナリオが起きてしまったのです』



神様の深刻そうな声。

それだけで今起きてしまっている〝想定外のこと〟があまりよろしくないことだと伝わる。



『…起きないはずのシナリオって姫巫女が1人でここに来てしまったってところだよね』

『はい。本来なら彼女は蒼が見つけて連れてくるはずでしたから。その絶対のシナリオが何故か変わってしまった』

『龍たちが職員としてうちの学校に来たことについては?』

『…そちらについては2度目の世界のシナリオ通りでした。問題ありません』



つまり、龍たちのことは私が歪ませたことによって変わったシナリオってことね…。



『ええ。紅が例え1度目とは違う行動をしたとしても、この世界のシナリオは1度目を知っている紅がどんな行動をするか記します。シナリオは絶対で、2度目の世界が始まってから今までずっとそうでした』



それなのに姫巫女は何故か1人でうちの学校に現れた。
神様のこの様子からしてその原因はわかっていないのだろう。

そしてその原因がわからない限り、おそらく世界はどんどんシナリオとは違う世界へと歪み、最悪1度目と同じように滅ぶのではないだろうか。



『紅は相変わらず勘がいいですね。私が何も説明せずともあらゆることを理解するのが早い。助かります』



神様はいろいろと考えを巡らす私に感心するとそこで言葉を一旦区切った。
そしてほんの数十秒黙った後、神様はまた真剣な声で話し始めた。



『…紅、私は認識を改めなければならないのかもしれません』

『え?』



認識を改める?
どういうこと?



『前回の世界の歪みの中心は間違いなくアナタでした。ですが、本当は別の人物がその中心だったのかもしれない』



この話の流れで私以外の誰かなんて1人しかいない。



『姫巫女がそうである可能性が高いです。紅、彼女には十分に気をつけてください』