「はーい、そこまでー」



甘える朱を受け入れて朱の背中をポンポンしていると急に蒼が私たちの間に入ってきた。

笑顔に見えるがどこか不服そうだ。


何がそんなに気に食わなかったのだろうか?



「本当、仲のいい兄弟だよね?だけど節度は守ろう?いい年して抱き合うのはどうかと思うけど」

「何ですか、蒼さん。邪魔しないでくれます?」



にっこり笑う蒼を不機嫌そうに見つめる朱。
お互いに目が笑っておらず、バチバチだ。


おいおいおい。
今にも喧嘩しそうな空気じゃないか。


「蒼!よく言った!本当、朱の行動は目に余るものがあるよな!いいか!朱!お前はもうちょっと紅との距離感考えろ?」


バチバチの2人の空気に武まで参戦する。
武は蒼や朱ほどの冷たさはないが蒼に加勢する気満々だ。


ちょっと!火に油注ぐな!
もう見てられない!私の朱が2人対1人で、しかも年上にやられるなんて!


「蒼、武…」

「俺も2人の意見に賛成だ」


は!?


私が話そうとしたタイミングで今度は琥珀が無表情で話し始めた訳だが内容が聞き捨てならない。


琥珀もそっちに付くの!?



「確かにお前たちは兄弟だが、距離感がおかしい。いい機会だ。これを機にお前たちの距離感は見直した方がいいと思うぞ」



3人対1人の構図が出来上がってしまった…。

年上が年下に寄ってたかって!
確かに私たちの距離感はおかしいけど朱にとっては普通なんだよ!
多分!