「…お前の言いたいこともわかる。…仕方ない。お前の願いなら聞き入れてやろう」
「本当!?」
「ただし、条件がある」
「何々?」
まさかの龍の了承に喜んでいると、そんな私を龍が無表情のまま、まっすぐ見据える。
なので私は嬉しい気持ちを抑えながら龍の次の言葉を待った。
やっと妖のトップ、龍から了承を得れたのだ。どんな条件が提示されようと呑む覚悟くらいはある。
私にできることなら何でもどんと来い!と構えていると、龍はついにその美しい口を開いた。
「紅、お前が能力者側の交渉人の最高責任者としてこちら来い。そうすれば考えてやる。逆にお前以外の交渉人、またはお前以外を最高責任者にするならばこの話はなしだ」
どんな難しい条件を付けられるのかと思っていたが、龍からの条件は私が頑張りさえすれば案外何とかなりそうなものだったとりあえず安堵する。
元々私が先頭立ってやろうとしていたことだ。龍の条件ならきっと満たせるだろう。
「その条件呑むよ。よろしくね、龍」
「ああ」
笑顔で龍に握手を求めると、龍はすぐに私に握手を返してくれた。
こうして私はまた一歩、望む未来の為に足を踏み出せたのであった。



