「…龍は私が嫌い?他の人間と同じように殺したい?」
だから私は説得の仕方を変えることにした。
今度は理論ではなく、心に直接訴えかけることにした。
「何故、そんなことを聞く?」
「いいから答えて」
突然の私からの問いかけに龍が困惑した表情を浮かべている。だが、私はそんな龍の様子など気にせずに龍の答えを急かした。
「…殺したいと思うはずがないだろう」
龍は困惑したままだが、じっと私を見て、真面目に答えてくれる。
そう言ってくれると思っていたよ、龍。
「それが答えだよ。龍にも殺したくない人間がいる。私にだって当然殺したくない妖がいる。私たちはそうして共存できている。私たちができたんだもん。時間はかかるかもしれないけどできないことはないでしょ?」
私はにっこりと優しく龍に笑う。
すると龍はそんな私を見て大きなため息を吐いた。
「お前はいつも俺を困らせるな」
「困らせているつもりはないけど…」
「困らせている。自覚を持て」
半ば呆れ混じりに私を見つめる龍に私は抗議の視線を送る。
まるで手に負えない子どもを宥めるような視線に不満しかない。



