「僕も寝るー」
寝転ぶ私の横に雷がゴロンと転がる。
「え!私も!私もー!」
「僕も!」
「俺も寝たいー!」
そして雷のこの行動をきっかけにその場にいた全員が所狭しとイチョウのベッドに集まって寝転び始めた。
せ、狭い。
「…」
流石に狭すぎるので黙って私は体を起こそうとする。
だが、それは両隣にいた雷たちに腕を掴まれたことによって叶わなかった。
「みんなでお昼寝だよ、お姉ちゃん」
「うんうん。一緒にだよ?」
雷と子どもたちはそう言って笑顔で私を見る。
…まあ、狭いけどもういいか。
「そうだね。みんなでちょっとお昼寝しようか」
私はここから離れることを早々に諦め、笑顔でそう言うと側に子どもたちを感じながら瞼を閉じた。
*****
強い妖の気配を感じる。
そう思い、瞼を開ければ、そこには私たちの側で私たちを見下ろす暁人の姿があった。
「…何」
何か言いたげにこちらを見下ろしている暁人に私はその場に寝たまま、声をかける。
「随分呑気ですねぇ」
すると暁人はその赤い瞳をスッと細めてどこかおかしそうに私を見た。
…まぁ、ここではびっくりするくらい平和に過ごしているしね。
暁人が〝呑気〟だと言うのも頷ける。



