姉さんを傷つけ、排除したこの世の全てを焼き尽くしてしまおう。
そう思うと同時に僕の中の何かがプツリと音を立てて切れた。
ボウ!とまずは目に見える範囲全てに炎を発生させる。その炎は建物や木々などに燃え移り、大きな炎へと変化していった。
「きゃあああ!」
炎に襲われて恐怖の声を姫巫女が上げている。
そんな姫巫女を助けていたのは武さんだった。
「おい!朱!やめろ!」
水をまとった武さんがこちらに叫ぶ。
だが、僕はそんな武さんを無視して姫巫女を焼き殺そうとさらに炎の火力を上げた。
「い、いやぁあああ!」
「朱!」
武さんの水の攻撃が飛んでくるがその水が僕に届くことはない。
「朱!落ち着くんだ!」
次に琥珀さんもそう言って僕に雷で攻撃してきたが、その攻撃は僕には当たらなかった。強い炎に邪魔されて僕にうまく狙いが定められないようだ。
「…」
蒼さんだけは僕に何かをしようとはしなかった。
ただ屍のようにその場に倒れたままだった。
力が湧いて湧いて仕方がない。
まるでリミッターが解除されたかのように力が溢れて止まらない。
この溢れ出る力さえあればきっと僕は世界を焼き尽くし、滅ぼすことができる。
姉さんがいない世界なんていらない。
もういっそ全部焼き尽くして滅ぼしてしまおう。
僕は姉さんだけに向ける愛らしい笑みを泣きながら浮かべた。
「姉さん。ぜんぶ、ぜーんぶ焼き尽くして姉さんに酷いことをしたこの世の全てに復讐するからね。そしたら僕もすぐに姉さんのところに行くよ」
両手を広げ、僕はもうすぐ会える姉さんのことを思いながら空を見上げた。
そこで見ていてね、姉さん。



