転生したら、シンデレラの姉だった件


 ー5章ー
 
 ーいざ、エメチャル 王城へー
 

 ールリア (=美氷) 目線ー








 「…様」

 ー遠くの方で…懐かしい人の声がした。

 「…美氷様…」

 ーその声の人は…私の耳に、フワッと息を吹き掛けて…

 「…次に起きられないなら…今度は貴女の、形の良い耳たぶに、口付け致しましょうか?」

 ー甘く意地悪な声となり、そう囁いてきた。

 「…そ、それはっ、勘弁して下さいいいいぃー!!!!」

 そんなことをしたら、私の心臓が、持たなくなりますぅ~!!!

 ーそう反論しながら、ベッドから起き上がり、眠い目を開いた私は…

 「…ぎょ…ぎょええええええええぇー!!!?」

 思いっきー前世も合わせると、4回目(くらい?)の、絶叫を上げてしまった。

 「…あ…あっ、アレンさんんんんんんーっ!?」

 ー何故なら、私のベッドの側には。

 もうとっくに、彼の家へと帰っていると思っていた、美青年…
 ー前世の私の執事・爽斗さん改め、アレンさんー
 …が、確かに腰掛けていたから…!

 …何故ここに…!?、戸惑う私の髪の、一房(ひとふさ)にー

 ふわっ!

 ー愛しげに私を見つめる、アレンさんの人差し指がー甘く触れ、そのまま…

 「…っっ!!」

 ー自然な動作で、彼の左手が、そのまま伸びてきてー私の右手と、ピタリと重なった。

 「…昨夜からー此処に、泊めさせて頂いております。
 リル様には、感謝を申し上げなければ…。」

 貴女の可愛すぎる寝顔が、見られたのですから…。

 「…わ、私の寝顔なんて、少しもっ!!
 少しも、可愛くないですよおおおぉー!!!!」

 にこやかに微笑んでそう言うアレンさんに、大きな声で反論しながらも。
 
 私は、アレンさんの左手の指にーそうっと、自分の右手の指を絡める。

 ー昨日…アレンさんと、両思いになれたことが…。
 正直未だに、信じられない。
 こんな私が…彼と、結ばれても良いのかしら、と…。
 そんな風に、思ってしまうんだ…。

 (…けれど…それでもー)

 「…さてーこれで、奇跡的に、貴女様と両思いになれたわけですから…そろそろ、参りましょうか?」

 …物思いに耽っていた私はーアレンさんに、グイッと身体を引き寄せられー

 「ひょ、ひょええええっ!?
 あ、アレンさん…一体、何処へ行くのですかっ
…!?」

 ー彼にそう聞いている間に…あっという間に、淡い緑色に光る魔方陣の上へと立たされた。

 「…おや、昨夜、申した筈です。
 私以外にもー貴女を探している方が居る、と…。
 さぁ、今からその方に、会いに参りましょうか!」

 い、今から…!?

 「…ちょ…朝食も、食べてないのですけどおおおぉー!!!?」

 ー私が彼に、そう大反論した時ーー。

 【ー魔方陣 起動…
 …承(しょう)、エメチャル 王城へ、直行します。】

 私達の乗っているーいいえ、アレンさんに、強制的に乗せられたー魔方陣から、機械音声が響き…。

 パアアアアッ!!

 ー魔方陣は、輝かんばかりの緑色に輝きながらーヴィィィィンと、急上昇し始める。

 「…美氷様ーしっかり、俺に捕まってて下さい…」

 「…つ、捕まってて、って…エメチャル 王城ーって何処なのですか、アレンさんっ!?」

 ー私を強く抱き寄せたアレンさんに、尋ねてみるけどー彼は、悪戯に微笑んで、何も応えてくれない。

 (…それに…っ!!)

 色々な意味で…心臓のときめきが、止まらないんですけどっ!!!?

 (…誰か…助けてええええええええぇ!!!)

 ー私ールリアこと美氷はー魔方陣が、「エメチャル 王城」とやらに着くまでー

 …心の中で、何度も。
 
 …大きな悲鳴を、上げ続けるのだった…。