転生したら、シンデレラの姉だった件

 
 それから、約 8分くらい経って。
 …私はまだ、アレンさんに、抱き締められたまま…。

「愛している、って…わ、私を…ですかっ!?
 …けれど、私達の、歳の差はっ…!!」
 離れすぎていますしぃー!!
 …と、必死に言い募る。

 …まさか、アレンさんも、私と同じ気持ちだとは知らなかった…
 ーけれど、人の恋心なんて…。
 いつ変わるのかすら、分からないんだもの。
 (…分からないならっ!
 いっそのこと…アレンさんとは他の、男性のところに…)
 お嫁さんに行くしか、無いよね…。
 正直ー前世で爽斗さんだった、アレンさん以外の所には…
 
 行きたくなんて、ないけれど…っ…!!

 「…ご安心を、お嬢様…!
 私は、長生きできます…!
 …何故なら、記念すべき今日にー貴女とー両思いだと…そう、分かったのですから…っ!」
 
 ーそんな私の心を、読み取ったかのように…。
 私の身体を離して…
 ゆっくりと、私の目元までしゃがんだ、アレンさんは…。
 「…10年経ってもーいえ、この先何年経っても。
 俺の、貴女様への愛は、変わりません。」
 ーそう言うと…

 ーチュッ…

 「…っ!」
 私の手の甲に、キスを落とした。

 かああっ!

 ー唇に触れられた所も、身体も、顔も…。
 熱を帯びたように、熱い…っ…!!

 「…おや、顔がお赤いですが…フッ、どうか、されましたか?」
 ーそんな自分に困惑する私に、わざと不思議そうに尋ねる、アレンさん。
 (…っ!!)
 この、意 地 悪、執 事さんめっ…!! 
 「…アレンさんの…せいですっ…!!」
 こんなの、反則ですよおおおぉー…!!
 …そう叫ぶ私に、アレンさんは、優しく笑いー。
 「…貴女の方が、反則ですけどね…
 …私だけの、お姫様…。」
 
 
 ぎゅうっ!!


 ー彼は再び、私を抱き締めた。
 今度は、息も出来ない程、強くー甘く…。

 「…アレン、さんっ…
 っ、息が…!」
 ーけれど。
 私は、反抗しなかった。
 …先程の彼の、手の甲の口付けにー彼の想いを、感じとることが出来たからー。

 「…っっ、アレンさん…っ!
 その…私も…っ、アレンさんのこと…」
 前世から、忘れられていなくて…!
 何時も何時も、貴方の言葉に、励まされていました…っ!

 ー何度も深呼吸しながら、私はアレンさんに対して、言葉を紡ぐ。

 「…っ…嬉しすぎますよ、ミヒ様…」
 …私が話し終わるなりー
 「…あっ…」
 …アレンさんは、私の顎を、クイッと上向かせて…。
 私の両頬に、軽くリップキスを落としてきた。

 「…っっ、アレンさん…っ!!」
 もし、こんなことをー深い森の中でー万が一、誰かに見られたら…。
 ど、どうするのよおおおぉー!!!?
 …そうしたら、私…
 恥ずかしすぎて、息が、止まっちゃうかも…っ!!

 ーそれは、絶対に嫌だし、こんな森の中、気を失うなんて…。
 言 語 道 断!だからね!?
 そんな思いを込めて、私が軽く、アレンさんを睨むとー。

 「…申し訳ありません、つい…
 そのー嬉しく思い…」
 アレンさんは、尚も頬を赤らめたまま…私から、目線を逸らした。
 …けれど、彼の身体はしっかりと、私を抱き締めている。

 …好きな人にされるから、嬉しいけど…っ!!
 …今まで…寝不足…だったから………

 「…アレン…さん…
 美氷、眠くなっ…てきました…」

 今日までの、度の疲れと…
何より、アレンさんの、甘い
 ーあれは大分と、甘すぎたような…!?
 ー…告白に、私をどんどん、睡魔が襲ってくる。


 「…ふっ…本当に愛らしい…。
 …貴女様は、どこまで、俺を煽る気です?

 …ええと…それでは…。

 家まで、大切にお運びしましょう…
 …そうだ…!
 私としたことが、舞い上がりすぎて…。
 うっかり、忘れてしまうところでしたが…」

 ふわっ!


 ーアレンさんが…そのままの格好で、私の身体を抱き上げながら…。

 ー耳元で、こう囁いてきた。
 
 ー私と同じように、貴女を捜していた人が居るのです。

 ー近日中に…その方に、逢っては頂けませんか…?
 
 ーと…。

 「…勿論…です…アレンさん…
 …好き…です…」
 言葉の最後に、ポツリ、とそう返した、私に…。

 「…私の方が、お慕いしております。
 ーーもう、誰にも…どの糞男にも、貴女を渡したくない…。」

 ですが、ひとまずは…。

 ごゆるりと、お休みなさいませ、美氷 様…。

 ーアレンさんの、お菓子よりも甘い、囁きが返ってきて…。

 (…っ、やっぱり…!
 アレンさんはー爽斗さんは、毒舌で、意地悪…)

 ーそれでも、私は………

 ー貴方のことを、慕っているから…

 …でも、今は…

 おやすみ…なさい…。

 ー私は、彼の広い胸に抱かれてーすぅ…と、久しぶりに悪夢の見ない夢の中へと、入っていったのだった…。