転生したら、シンデレラの姉だった件


 2章
 ー後章ー
 ー自分に対する反省と、
 予想外の 物語 内容ー
 ーこんな話じゃなかった筈では!?ー
 ー(美氷) ルリア目線ー




 「…はぁー。」
 …たった14日しか経っていないのに、激怒してしまった…。
 はぁぁー!
 納屋に向かいながら、私は暗い気分になってきて、ズーン…と両肩を落とす。
 午後 9時くらいの夜の空は、思ったよりも明るい。
 …けれど…私の心には、闇色の夜だけが映っていた。
 …だいたい、そもそもの原因は…。
 エラさんーシンデレラさんだと思う!!
 …いや、いじめの原因は…
 主に、ううん全てにおいて、エラさんが作っている…ということで、良いんじゃないかなぁ…?
 人の言うことを、少しも聞かない、我が儘し放題の…
 そして何より、彼女こそが、この物語の
 「真の悪役」
 だったのだから…!!

 ー私は、13日前ー
「ルリア」
の姿でエラさんと初めて食べる、朝食の時までー。
 まさか彼女が、私のお母様とルリシア お姉様に、あそこまで我が儘を貫いているとは…。
 全くと言っていい程、予想していなかった。

 予想していた以上に、エラさんは我が儘で、泣き虫。
 …それなのに、とびきり、その意地が悪い。
 そして彼女はその上で、私ー転生した、ルリア以外の姉と義母を…
 原作ではあれほど私が憎んでいた、あの2人をー
 …私が戸惑う程きつい口調で、脅していたのだ。
 『…私の我が儘に、最後まで従わないと…。
 あんた達を、ここから追い出すわよ!
 そして…そうなると、資産だって、屋敷だって…!
 何もかも…このエラの物…!
 そして私は、ここで幸せになるんだから!!!!』
 ーと…。

 ーそこには、あの泣き虫な、エラさんは居なかった。
 代わりに…。

 ちょ…ちょっと、エ ラ さ ん!!!?
 あなた、どこかの神様にでも…
 ーなったおつもり、なので…!?
 …と、その場で突っ込みたくなるような…
 超ー傲慢!
ーで…、
 け ん き ょ!
 ーつまり、謙 虚の2文字も、彼女の辞書には無いのでは、と私が疑う程…彼女の言動は、
 「悪役 キャラ」
そのものだったのだ…!

 別人のようになったエラさんは、腰に両手を当て、その強い視線を、二人に向けて…。
 「…お皿洗いの後は、窓拭き~!
 それから、昼食の準備も、お願いしますね~!!
 あっ、どちらかがサボっていたら、木の棒で、何十回も、きつく殴りますから!!」
 そんな恐ろしいことを、義母達に向かって言っている。
 …って、え、ええエラさん…!? 
 ーその言葉、普通は、あなたの義母ーつまり、継母(ままはは)が言う台詞、なのではっ…!!!?
 心のなかで大声で突っ込んだ私は、エラさんの顔色を伺い…思っ切り、悲鳴を上げたくなった。
 そんな台詞を吐いた、彼女の笑みが、嘲笑(ちょうしょう)に変わりー。
 血の繋がっていないとはいえ、家族のはずのー義母と義姉を、罵(ののし)っていたから…。
 (…う、嘘ぉ…!!
 これが…
「シンデレラ」のーこの異世界の、本当の姿…?)
 胸をふんぞり返らせるエラ。
 そして、文句も言わずーいや、言えないのだろうけどー黙って彼女の分の家事をする義母と、ルリシア お姉様。
 …正直ーこの状況に、私は、リアルに、ショック!!!!
 …この状況下って…お母様とルリシアお姉様には…もぅ本当に、絶 望 
的!
 だと思う…。
 ーって、2人にどんどん家事が押し付けられている時に、ぼうっとしている場合じゃないっ!!!! 
 『…お母様、ルリシアお姉様!
 このルリアも、お手伝い致しますわ!!』
 私は慌てて、お母様達に駆け寄り、台所でお皿を洗うお姉様を手伝いに向かった。
 『本当に、有り難う…ルリア!』
 ルリシアお姉様は、私に向かって、柔らかく笑む。
 …普通とは少し不細工ー(ルリシアさん本人に言ったら、鬼になって睨まれそうだから…
(考えただけで、心の底から、ゾッとするしぃー!!!!)
 本人には絶対に、言えないけど…!!)
 ーな、その顔に、優しい笑みが、宿った時ー。
 …私は瞬時に、とんでもないことに気付いたんだ…!

 …もしかして…!
 もしかして、この
 「ルリシア お姉様」
こそが…後の、
 「シンデレラ」
 なのではっ!!!?

 ーその気付きは、果たして真実か、はたまた 虚実(きょじつ)か。
 …その可能性に気付くのが、「ルリア」の私で良かったのか。
 …もしくは………
 「………と・に・か・く!
 現実が、どちらにしても…!!!!
 あのエラさんには、私が、毎晩夜遅くまで、鍛えることで…。
 泣き虫要素だけでなく、その意地悪な性格も…出来る限り、治して貰わないと…!!!!」
 でないと、この物語は…。
 このままだと全っっ然、ハッピーエンドじゃなくなるからっ…!!

 ーあぁ、神様…
 こんな無力な 私を、何という…!
 何という、残 酷 非 道!!
 …過ぎる、現実の異世界に、放り込んでくれたんですーっ!!!?

 ーアヒル、ネズミ、ウサギ…。
 他にも沢山の動物達に、各々の餌をやり終えた私は、上空に向かい、心の中で、悲痛な叫び声を上げるのだった…。


 ー色々なことが、予想外すぎて。
 これからのことも、予 測 不 可 能!!過ぎるせいで…。
 ー今の私、「ルリア」ー「=美氷(みひ)」ーはまだ、知る由も無い…。
 ーチャーミング国の 
 遥かに広い面積、人口、技術を誇る隣国
 ーエメチャル 大帝国…。
 ーその国に、私の身近な知り合いが、2人ほど転生していること。
 …そして、彼らが…ずっと、私を探し続けている、ということを…。