「でもレイナード様は、長期休暇を利用してナディア様の国をご訪問されてらっしゃるのよね?」
「ええ、ナディア様ご本人が、レイナード様と一緒に里帰りするとおっしゃっていたから、間違いないわ」
「あのお二人って、もうそこまで進展していたってことね…ではステーシア様は、このままでいくとやっぱり…」
ストップ!ストーップ!!
レイナード様がナディアの国へ?それは初耳だけど、彼があのとき「もうしばらくしたら全部解決する」と言っていたのは、まずナディアの両親に自分たちのことを認めてもらって味方につけてから、わたしとの婚約を破棄するってことなのかしら。
随分と用意周到であり、なりふり構わずという気がするけれど、やはり一度盛大に発表している王太子の婚約を破棄するには外堀から埋めないといけないということか。
レイナード様とナディアは何一つ隠そうとはせず、いちいち目立つことを堂々としているから噂の的になるのもよくわかるし、もしも自分が当事者ではなかったら、きっとわたしもその噂話に首を突っ込んで興味津々だったことだろう。
貴族のご令嬢は噂話がお好き。
よく覚えておいて、自らの行動も律することにしよう。
「とっ、ところで!あのパーティーのステーシア様のドレスは、服飾科のマーガレットさんが手がけたものらしいわね!」
あまりに唐突に、強引に、話題を変えてみた。
自分のことを「ステーシア様」と言うだなんて背中がむずがゆくなるが、致し方ない。
「まあ、あの素敵なドレスは生徒の作品だったの?」
「わたくしもステーシア様ご本人がそうおっしゃっているのを聞きましたわ」
「ダンスのときにふわりと広がってキラキラ光っていたあのスカートが素敵だったわよねえ、わたしも機会があればマーガレットさんに仕立ててもらおうかしら!」
唐突な話題の変更にもフットワーク軽く乗ってくる彼女たちは、ある意味優秀だ。
マーガレットのドレスのいい宣伝になったかしら。
彼女たちに噂話でこれを広めてもらって、日頃お世話になっているマーガレットへの恩返しになりますようにと心の中で願った。
「ええ、ナディア様ご本人が、レイナード様と一緒に里帰りするとおっしゃっていたから、間違いないわ」
「あのお二人って、もうそこまで進展していたってことね…ではステーシア様は、このままでいくとやっぱり…」
ストップ!ストーップ!!
レイナード様がナディアの国へ?それは初耳だけど、彼があのとき「もうしばらくしたら全部解決する」と言っていたのは、まずナディアの両親に自分たちのことを認めてもらって味方につけてから、わたしとの婚約を破棄するってことなのかしら。
随分と用意周到であり、なりふり構わずという気がするけれど、やはり一度盛大に発表している王太子の婚約を破棄するには外堀から埋めないといけないということか。
レイナード様とナディアは何一つ隠そうとはせず、いちいち目立つことを堂々としているから噂の的になるのもよくわかるし、もしも自分が当事者ではなかったら、きっとわたしもその噂話に首を突っ込んで興味津々だったことだろう。
貴族のご令嬢は噂話がお好き。
よく覚えておいて、自らの行動も律することにしよう。
「とっ、ところで!あのパーティーのステーシア様のドレスは、服飾科のマーガレットさんが手がけたものらしいわね!」
あまりに唐突に、強引に、話題を変えてみた。
自分のことを「ステーシア様」と言うだなんて背中がむずがゆくなるが、致し方ない。
「まあ、あの素敵なドレスは生徒の作品だったの?」
「わたくしもステーシア様ご本人がそうおっしゃっているのを聞きましたわ」
「ダンスのときにふわりと広がってキラキラ光っていたあのスカートが素敵だったわよねえ、わたしも機会があればマーガレットさんに仕立ててもらおうかしら!」
唐突な話題の変更にもフットワーク軽く乗ってくる彼女たちは、ある意味優秀だ。
マーガレットのドレスのいい宣伝になったかしら。
彼女たちに噂話でこれを広めてもらって、日頃お世話になっているマーガレットへの恩返しになりますようにと心の中で願った。



