一人は同じクラス、もう一人は違うクラスである男子の二人グループだ。


「まず、顔は有明(ありあけ)レベル、性格は(あまね)レベルなら及第点」


 どこまで図々しいんだとつっこみたいところをグッと抑え込んで、二人のことを観察する。


 有明くんは別のクラスの男子。木葉ちゃんの言う通り、彫りが深めのキリッとした顔立ちをしたイケメンだ。


 どんな人なのかは知らないけど、さっぱりとした黒髪短髪や規定通り着こなされた制服から清潔感や誠実さが伝わってくる。


 次に、周くん。わたし達のクラスメイト。笑顔が柔らかくて、チラッと見える八重歯が印象的だ。ふわふわの茶髪は思わず撫で回したくなるくらい。


 性格は、とにかく優しいの一点が強い。誰かの雑用を手伝ったり物を貸したりする場面をよく見かけるから、気遣いができる人なんだなと思ってる。


 確かに二人とも、彼氏にするには理想的なものを持っていた。


 でも二人を合体させることはできない。木葉ちゃんは残念だとばかりにため息を吐く。


 どちらか片方でもダメらしい。


「いつかそんな人が現れるといいねぇ」

「もちろん! 現れさせるからっ!」


 一度決めたことはなかなか諦めない木葉ちゃんの、理想の彼氏を作る奮闘譚が今始まる――!


 なんて煽り文を考えていると、木葉ちゃんがずいっとわたしに顔を近付けてきた。