「……パジャマだ」


 プレゼントの袋を開けて、中身を広げる一悟くん。


 想像もしていなかったのか、目を丸くしている。


「これからもたくさん、お泊まりするかなぁ~って」

「なっ」


 わたしの言葉に、ボッ! と首まで赤くなった。


「……だ、ダメ人間は、今日で終わりでしょ」

「終わっちゃうの~?」

「う、動けなくなってるくせに、煽らないの」

「だって~……」


 強引な一悟くん……めちゃくちゃドキドキしたんだよ……。


 月に一回くらいはまたダメ人間の日を作ってもいいかな~って。


 そんな軽い考えは見透かされていた。


「こら、おとなしく寝てて」


 ぎこちなく起き上がろうとしたところを一悟くんに戻され、覆い被さって動きを止めてくる。


 仕方ないから、一悟くんの首に手を回して見つめるだけで譲歩することにした。



「ふふ、わたしのお祝いはどうでしたか~?」

「んん……正直、期待以上だったというか」

「あ、じゃあ、わたしの勝ちだ?」


 すると、一悟くんは小さく息を吐いて。



「俺がめるに敵うわけ……ないでしょ」



 ゆっくりと顔を近付けてくるから。


 受け入れるために目を閉じる。




 ……ほんとはずっと、わたしが負けてるんだけどね。


 日に日に好きが大きくなっていくのをはっきり感じているから。


 あっという間に一悟くんの好きまで取り込んじゃうかも。


 そのことに一悟くんが気付くのはいつになるかなぁ。


 気付いたときには、後戻りできないように。


 ネタバラシはもう少し、先にするね。





おわり