「それで、めるはなんて答えたわけ?」

「いいよ~って」

「かっるぅ……。羽のように軽いわぁ……」

「羽入だけにねぇ」

「うるさいわ」


 木葉ちゃんから振ってきたのに~。


 翌日の朝、木葉ちゃんに昨日起きた出来事を話していた。


 わたしもまさかこんなハイスピードで彼氏ができるなんて思ってなかったから、誰かと共有したかったのだ。


「じゃあ今日から一緒に帰ったりするの?」

「えっとねぇ、有明くんが図書委員らしくて、週一で当番があるからそのときだけ帰ろうってことになったよ」

「……そういえば、昨日は?」

「三人で帰ったよ~」

「有明、気まずっ……」


 あ~確かに居心地悪そうにしてたかも?


 悪いことしちゃったなぁ。何かお詫びのお菓子とか、持ってたっけ。


 カバンのポケットをまさぐると、いちごのアメが出てきた。


 ラッキ~。これ美味しいんだよねぇ。


 味見と称してお先にぱくり。木葉ちゃんが手のひらを出してきたので、彼女にも渡す。


 ふんわりと甘いいちご味が口内に広がった。


 あ……そういえば、周くんの下の名前って一悟だったよね。


 有明くんもそう呼んでいたのを思い出す。


 ここは彼女として、距離を縮めた方がいいかも。