脱衣場に着けば、一悟くんにぎゅーっと正面から抱き締められた。


「もうどうなっても知らないからっ!」

「ふふ、お好きにどうぞ~?」


 一悟くんの頭を撫でる。


 これだけは、何回触っても飽きが来ない。


 中毒性があるよ、確実に。


「じゃ……ちゅーする」


 ペロッと舌先で唇を舐められて。


 スイッチの切り替わった一悟くんの目にゾクリとした。


「ふ……っ、ん、」

「……ボタン外すね」


 プチ、プチ。一つずつ丁寧に取り外されていく。


 手元を見ずにまさぐっていた一悟くんの手が、わたしの背中を直接触れた。


「あっ、だ、だめ」

「だめじゃない」

「そうじゃなくてっ、よく見てほしいな……」


 ブラウスが肩を滑って地面に落ちる。


 あらわになるのはわたしの下着姿……じゃない。


「――え……っ」

「どう……かなぁ?」


 口元を抑えて一悟くんが後退していく。


 自分でも見下ろしてみて、上半身だけっていう歪な姿に苦笑してしまうけど。


「水着、下に着てきちゃった~」
 

 オフショルダーで、胸元にリボンが編み込まれたデザイン。


 全体的に淡くて、少しくすみのあるピンクでまとまっている。


 改めてみても、やっぱり可愛いかも。


 木葉ちゃん、さすがだね~。