「う、なんでそんな羽入さんは……。緊張とか、ないんですか」

「うん、楽しみ!」

「うう……もう、純粋なのか不純なのかわかんないよ……」


 え、ほんとだ。今のわたし、すごく不純の塊だ。


 もうちょっと恥じらいがあった方が可愛げがあるのかな。


 わたしが一悟くんの赤面を可愛がるように、一悟くんもそういうのを求めていたりする?


「ご、ごめんね? 普通は恥ずかしいよね? その辺りはちょっと準備不足だったみたい」

「あ……や、その、大丈夫。俺だって、楽しみでは、あるから」


 言ったすぐ後、もっと顔を赤くして最終的に手で覆ってしまった。


「~~っっ、あ、あんまりこっち見ないで……っ」


 そっかぁ、一悟くんもわたしとおんなじなんだ。


 今はこんなに恥ずかしそうな一悟くんも、きっと積極的で、かっこよくなって――。


 想像しただけで体が熱くなってくる。


 だめだめ、今日はまだ我慢。


 心を落ち着けるために、一悟くんの頭をポンポンと撫でた。


 あ……余計だめかも……!


「じ、じゃあ一悟くん、夏休みはたくさん楽しもうねっ!」


 自分が抑えられなくなる前に、さっと席に戻る。


 一悟くんに触れたところがじんじんと熱い。


 も~、わたしのばか。期待しすぎだよ。


 今日じゃないのに。


 だって今日は……。