「そうだっ。作文に悩んでいるなら、一緒に喫茶店に行かない?」

「え?」

「市川さんのいる喫茶店で、作文のテーマ考えればいいじゃん! 私は市川さんに会えるし!」



莉緒ちゃんと一緒にお出かけ……。

しかも、作文も考えられるし、莉緒ちゃんの好きな人も見ることができる……。

それは行きたいっ。



「行くっ!」

「じゃあ、今度の土曜日とかどう?」



勢いで頷きかけた瞬間、私はバスケ部の練習試合があることを思い出した。

春佳くんの応援に行くって約束しちゃったから、どうしよう。

莉緒ちゃんに背中を押されながら黙る私。

今度は私が開脚する莉緒ちゃんの背中を押そうとゆっくり立ち上がる。

莉緒ちゃんの背中を押しながら、やっぱり正直に話そう、と決めた。