*
「私、ようやく彼が出来たんだ!」
ある日、園田知佳がランチの時にそう言った。
知佳は、特に仲が良いわけでもなかったが、なんとなく、私のグループにいた子だ。
地味で目立たず、面白みのない子だった。
「良かったじゃない!」
「おめでとう!」
「ねぇ、どんな人?」
私も口先だけで、喜んでるふりをした。
彼氏が出来たくらいで、浮かれてるなんて馬鹿みたい。
話を聞くと、なんと、初めての彼氏らしかった。
それなら、浮かれるのも無理はない。
「あ、ここ~!」
知佳が手を振り、それに応えるように手を振り返しながら駆けてくる者がいた。
「みんな、紹介するね。
私の彼の奥本達也さん。」
「初めまして。奥本です。」
そう言って微笑む奥本が輝いて見えた。
歯が綺麗で、けっこうイケメンだ。
体も筋肉質で、引き締まっている。
(この男は知佳には勿体ない…)
また私の悪い癖が始まった。
私には布川がいて、結婚まで考え始めていたというのに、何故、こんなにもこの男のことが気になるんだろう。
「そして、こちらが安藤由希さん。」
「初めまして。」
「初めまして。由希です。」
私は片手を差し出し、彼の手を握り締めた。
本当なら抱き着きたいくらいだったけど、皆の手前、我慢した。
「私、ようやく彼が出来たんだ!」
ある日、園田知佳がランチの時にそう言った。
知佳は、特に仲が良いわけでもなかったが、なんとなく、私のグループにいた子だ。
地味で目立たず、面白みのない子だった。
「良かったじゃない!」
「おめでとう!」
「ねぇ、どんな人?」
私も口先だけで、喜んでるふりをした。
彼氏が出来たくらいで、浮かれてるなんて馬鹿みたい。
話を聞くと、なんと、初めての彼氏らしかった。
それなら、浮かれるのも無理はない。
「あ、ここ~!」
知佳が手を振り、それに応えるように手を振り返しながら駆けてくる者がいた。
「みんな、紹介するね。
私の彼の奥本達也さん。」
「初めまして。奥本です。」
そう言って微笑む奥本が輝いて見えた。
歯が綺麗で、けっこうイケメンだ。
体も筋肉質で、引き締まっている。
(この男は知佳には勿体ない…)
また私の悪い癖が始まった。
私には布川がいて、結婚まで考え始めていたというのに、何故、こんなにもこの男のことが気になるんだろう。
「そして、こちらが安藤由希さん。」
「初めまして。」
「初めまして。由希です。」
私は片手を差し出し、彼の手を握り締めた。
本当なら抱き着きたいくらいだったけど、皆の手前、我慢した。



