——見られた。 ——聞かれた。 心配までされた……っ。 放課後の屋上なんて、てっきり誰もいないと思っていたのに。 あんな情けない姿を見られるなんて。 今だけは悲しみが吹っ飛んでしまったくらいに、恥ずかしい。 「最悪、さいあく……っ」 そのままにしていた涙を、乱暴に拭って。 熱を持った頬を冷ますように、風を受けながら。 最後の1段を飛ばし、ぴょん、と廊下へと降り立った。 ——今日はほんっとうに、ツイてない!