こころが揺れるの、とめられない



「すごいんですね……」

「同じ男として、感心しちゃうよ。だからわざわざ、今回は準備室を貸してるわけだし」

「……え?」


思わず聞き返すと、今度は先生が目をぱちぱちさせた。


「あれ。聞いてない? 集中できるように、って三澄に頼まれたから、特別に準備室で作業してもらってるんだよ。普段はあそこ、俺が作業する場所だから」

「そうだったんですか……」


確かに、準備室というものは普段、先生が使う場所だ。

三澄くんが当たり前のようにわたしを案内したから、忘れちゃってたよ。


「あいつ、見かけによらず負けず嫌いだから。もしかしたら、……ああいうのに興味半分で、邪魔されたくないのかもな」