……そっか。
そうだったんだ。
三澄くんは、あまり表には出さないけれど、……心の底に、熱い思いを秘めている。
断ろうとするわたしに選択を迫ったのも、絵に対して、必死になってたからだったんだね。
屋上で、あんなにボロボロな姿を見られちゃったのは、やっぱりどこか複雑な気分だけれど。
三澄くんの力になれるなら、失恋したかいがあったかも。なんて、わたしはおかしなことを考えてしまった。
「じゃ、今度は上村さんの番」
「え」
突然話を振られて、目を丸くする。
「俺だけ話すの、フェアじゃないでしょ。……上村さんの話も、聞かせてよ」
きちんと質問に答えてもらった手前、わたしだけ答えないというのは、確かにずるい気がする。
「……わ、わかった。いいよ」
それに、もう三澄くんの前では、失恋のショックをさらけ出してしまったようなものだ。
隠そうとするのも、今更だよね。
そう思って、どんとこい、という気持ちを構えたけれど。


