ぽつり、ぽつり、と紡がれる三澄くんの言葉を拾うたびに、とくん、とくん、と、自分の鼓動が反応する。 辛くない痛みと息苦しさと……、心地のいい、音がする。 「上村さんを、描きたいって思えた」 この言葉をもらうのは、二度目だった。 わたしは、コクリと息を呑んだ。 「……それだけ」 居心地が悪そうに、三澄くんが肩を竦めて。 「納得した?」 窺うような問いかけに、わたしは小さく、頷いた。 視界の端で、三澄くんの体から微かに力が抜けたのが見えた。