……綾人ってば。 はじめから、可奈ちゃんとふたりで行くべきだよ。 今まで三人で仲良くしてたから、気を使ってくれているのかな。 ……そんなの、いらないのに……。 きっと、わたしが邪魔者みたいにになっちゃうよ。 モヤモヤとした感情が渦巻く心の中とは反対に、平然を装って笑顔を保った。 「せっかく声かけてくれたのに、ごめんね。楽しんで」 「……ん」 綾人がわたしの腕を離した。 その目は、まだなにか言いたげだったけれど。 「じゃあな」 告げられた言葉は、それとはまた別のもののようだった。