「確かにショックは少し、和らいだけど……」
いつからか、泣くときはひとりが当たり前だった。
だからこそ、泣いているところを見つかったときは、すごくすごく恥ずかしかった。
苦しくて涙が出るときに、誰かにそばにいてもらえるとあんなにも安心できるってことを、忘れてたんだ。
それに、土日のお休みも挟んだことで、心の整理をつける時間もあった。
……まだ、完全に吹っ切れたわけじゃないけれど。
ポッキリと折れてしまった心が少しだけ立ち直れた気がするのは、間違いなく三澄くんのおかげ。
……だけど……。
「——恋愛なんて、もうこりごり」
わたしは、きっぱりと言った。
「この1年、すごく疲れちゃったし。片想いが楽しい、なんて……、わたしにはちょっと、わからなかったな」
痛いのも、苦しいのも、もういらない。
誰かを好きになるのも、もうやめたい。
「だから、好きになりそう、とか……。全然そういうのじゃないよ」


