「なんかお前、昼休みにすげー話題になってなかった?」
「え……」
さっそくの綾人の問いかけに、ギクリとする。
残りの階段を駆け足で下りて、わたしはふたりに追いついた。
「三澄くんに呼び出されたって、ほんと?」
可奈ちゃんの期待に満ちた目に少しだけ圧倒されながらも、小さく頷く。
「もしかして、告白とか……」
「え。……マジ?」
——告白。
その言葉に、ズクリと胸が痛むけれど。
「まさか! 違う、違う」
顔の前で手を振り、大げさに否定して。
「ちょっと頼まれごとがあっただけなの。……三澄くんとは、話したこともほとんどないし」
わたしはおかしそうに、笑ってみせた。