「それは」 三澄くんの声が、頭上から降ってくる。 見上げて続きを待つと、今度は、三澄くんがわたしから目をそらす番だった。 なにかを言い淀んで、……しばしの、沈黙。 そして、 「……昨日」 ぽつり、と三澄くんが小さく言葉を紡ぎ出した。 「昨日のこと、……まだ、誰にも言ってない」 「……」 「誰にも言わないから」 「……」