1階まで降りてきたところで、ようやく目的地に到着したようだった。 「入って」 ドアを開き、三澄くんがわたしを振り返る。 『美術準備室』と書かれたプレートを見上げ、わたしは戸惑った。 「……いいの?」 各準備室は、基本、先生と部活動で使用する生徒たちの入室しか許可されていない。 わたしはもちろん、無関係者だ。 「美術室のほうだと、今は作業してる人がいるから」 「そ、そっか」 邪魔しちゃ悪いもんね。 そう納得して、美術準備室へと、わたしは足を踏み入れた。