「上村みくるさん。ちょっと、いい?」 絶賛話題の中心人物だった、……三澄くんが、立っていた。 どこか気だるげに、静かな眼差しをこちらに向けて。 いつ、どこで知ったのか――なぜかわたしのフルネームを、口にしていた。 わたしの手から、お箸が滑り落ち。 カランカラン、と床で軽やかな音を立てた。