「三澄くん……」
「ん?」
「だいすき」
きゅう、と締め付けられる胸の心地よい痛みを吐き出すように言うと、
「……ん。俺も」
三澄くんの腕に、さらに力が込められた。
伝わってくる鼓動に重なるように、喜びで大きく波打っていたわたしの心が、……徐々に、はやいリズムを刻み始める。
そのスピードと、反比例するかのように。
わたしたちの周りだけ、時の流れが、ゆっくりになったような心地に包まれた。
「大好きだよ。……みくる」
温もりの中、目を閉じる直前。
三澄くんがふわりと微笑んだ気配がした。
唐突に下の名前で呼ばれ、まんまと心臓が飛び跳ねて。
そこから広がっていく熱が、優しく、暖かく、わたしを満たしていく。


