なにも、これっぽっちも嫌だと思わないわけじゃない。
だけど告白すると決めた女の子たちの勇気を、わたしの都合でどうにかしていいとも、思わない。
誰かを好きだと思う気持ち自体は、……他の人には邪魔できない、強くて、けれど儚くて、とっても大事で、とっても素敵なものだと思うから。
三澄くんを好きになって、——わたしはそのことに、気付いたから。
「じゃあ、そんな立派な上村さんに、いいものを見せてあげよう」
「いいもの?」
「ん。どーせ三澄のことだから、上村さんに報告するの、焦らすと思うんだよね」
「……?」
意味深な言い回しに、わたしは興味を惹かれ、先生へと視線を戻した。
「今はきっと、嬉しさを噛み締めてるところじゃないかな。落ち着いてから、別に大したことじゃないんだけどね、みたいな顔して言ってくると思う」
はい——と。
先生がスマホの画面を見せてくる。
絵画コンクールの結果が掲載されているページ。
どこか幻想的な雰囲気を感じられる風景画が、大きく表示されていた。
わたしは、そのすぐ下に映し出された文字を目で辿って——、
「……これ……」
コクリと息を呑んだ。


