困ったように唇を突き出していると、
「こんなところで待ってなくても、彼女なんだしさ。告白現場に割って入るくらいの勢いでも、いいんじゃないの」
春野先生は膝を折ると、わたしの目の前の机に腕を乗せ、伺うような微笑みを向けてくる。
その上目遣いからは、この状況をしっかりと面白がっている様子が読み取れた。
……もう……。
「……そんなこと、しません」
わたしはふい、と顔をそらした。
「わたしがいるからって、……誰かが三澄くんのことを好きだと思う気持ち、否定したくないので」
「……へえ。強いね、上村さんも」
「そんなこと……」


