感情豊かな印象はないけれど、それが逆にミステリアスで素敵なんだろうな、とか。 静かな眼差しは、どんな世界を映しているのかな、とか。 わたしも、密かに考えたこと、ある。 そんな三澄くんの、整ったルックスと魅力的な雰囲気に夢中になってしまう女の子は、後を絶たない。 今のところ、告白を受け入れたことがない彼の返事は、決まって、「恋愛とかよくわかんない」だそうだけれど。 知り合いでもないわたしにそんな噂が届いてくるほど、この学校において、三澄くんは有名人なんだ。