「どうしたのかな」
「……さあ」
わたしの問いかけに、さやちんは再び、首をひねった。
「ていうか、みくるも、三澄に興味あったっけ?」
「……え。……えと」
どう答えるか迷っていると、
「——わっ」
三澄くんが、こちらを見た気がして。
わたしはさやちんの腕を思い切り引っ張り、階段の方へ方向転換をした。
ギリギリ、目は合っていない。
「なに、どうしたの」
「ううん、ちょっと……」
わたしは後ろ髪引かれる思いを振り切って、さやちんに腕を絡ませる。
気を取り直して、ふたりで階段へと歩き出した。
「……ちょっと、気になっただけ」