こころが揺れるの、とめられない



「三澄と喧嘩したのか?」

「……」

「コケて画材ぶちまけでもしたんだろ。お前、鈍臭いもんな」


冗談めかして言われ、思わずむっとする。


「……しないよ、そんなこと」

「どうだか」


坂を下り、突き当りにさしかかる。

綾人が足を止めた。


「みくる」

「ん?」