だけど、三澄くんは違う。
どうしてこんなことになってるのか、わたしにはわからない。
わかっているのは、ひとつだけ。
三澄くんの好きな子は、わたしたちが知り合う前から、三澄くんと面識があったということ。
……つまり、三澄くんの好きな子は、間違いなくわたしじゃないって、こと。
それなのに……。
どうしてこんなことするの?
わたしには、好きじゃない男の子にもドキドキできるのか、聞いたくせに。
三澄くんは、……好きな子じゃなくても、キスできちゃうの?
わたしは、違うよ。
ときめきによる特別なドキドキも、キスできるのも、——三澄くんだから、なのに。
「ん……っ、や……」
そう考えたら、悲しくてしょうがなくて。
込み上げてくる涙をボロボロと溢れさせながら、わたしは力いっぱい、三澄くんを押し返していた。